合同会社( LLC )と有限責任事業組合( LLP )はよく比較の対象とされているので以下で主な違いを紹介します。
有限責任事業組合( LLP )とは有限責任である組合です。通常(民法上)の組合は無限責任ですが、有限責任に留められているところが LLC と共通しています。
有限責任事業組合( LLP )にはパス・スルー課税が認められている
パス・スルー課税とは法人税を課さずに法人としての利益も構成員個人の所得とみなして課税する方式です。つまり、組合である LLP に課される税金は所得税のみとなります。
これに対して法人である LLC などの会社には利益に対して法人税が課され、出資者への利益配当にも所得税が課されます。パス・スルー課税ではこの二重の課税を回避することができ、節税につながります。アメリカの LLC にはパス・スルー課税が認められていますが日本の LLC には現在のところ認められていません。
法人格の有無
LLP はあくまで組合なので法人格は認められておらず、対外的な信用においては法人である LLC などが有利であることに違いはないでしょう。
株式会社への組織変更の可否
LLP は後に株式会社へ組織変更する事は認められていませんが LLC は 全社員の同意を得ることで株式会社への組織変更が可能です。
以上のような事から 有限責任事業組合( LLP )は比較的に短期的な事業を行う際に利用され、合同会社( LLC )は長期かつ継続的な事業に活用される傾向があります。